ジュネーブ・レマン湖のほとりから シャモニーへ(2)

レマン湖はスイス・フランスにまたがる面積582キロ平方メートルの三日月型の湖。その面積の半分以上はスイス領で一周道路はおおよそ150km。スイス側の湖畔にはローマ時代の遺跡や中世の古城もあり、日当たりのよい南斜面には古くからぶどう畑が広がる。
湖畔には芸術家や王侯貴族が集まり、いまでも有名人の別荘が多い。またホテルやレストランなども並ぶ。
ジュネーブを起点に日帰りドライブの旅は、湖畔沿い約30kmにあるニヨン(Nyon)でローマの遺跡を訪ね、再びジュネーブへ戻った翌日にはフランス・アルプス最高峰モンブランの麓シャモニー(Chamonix)へと車を走らせた。
シャモニーの滞在数日間は、ロープウェイで行く山岳展望台やトレッキングなどが中心であったため、ここでは、主にリゾート地シャモニー・モンブランを写真で紹介することにしよう。

<コース>
ジュネーブ(Genéve)市内−サレーブ山(Mont・Saléve)−(N5号線)−エビアン(Evian)−ジュネーブ−(N1号線)−ニヨン(Nyon)−ジュネーブ−(A40)−(N205号線)−シャモニー(Chamonix)−ジュネーブ
行程 約200km
<赤いドライブルート付近のマーカーをクリックするとその項目にジャンプします>
●ニヨン(Nyon)
ニヨンの基盤となったのは、紀元前45年ころのこと、古代ローマの英雄カエサル(ジュリアス・シーザー)がガリアを征服したことにより築かれたコロニーのひとつで、スイス最大級のローマの重要な都市であった。
現在人口2万人弱の小さな町だが、その歴史は古く、いまも工事をするたびに古代ローマ時代の神殿跡や円形闘技場跡など遺跡が発見されている。とくに近年になって神殿の彫刻やランプ、ガラス、コインなどが見つかった。
これらの発掘品は、古代都市の中心で、神殿のあった地下に「ローマ博物館」が1979年につくられ、展示されている。
|
 ニヨンの町とレマン湖
|
 ニヨンの町を作ったローマの 英雄カエサル像
|
 レマン湖を巡る客船。地元民の 足でもあり観光船でもある
|
 ニヨンのローマ博物館
|
 ニヨンはどこを掘っても遺跡が出るという
|
 人物の彫刻は沢山保存されていた
|
 カラフルな壺もあった
|
 白と黒の細かい石を並べたモザイクの床
|
レマン(Lac・Léman)湖とニヨンの旧市街を見下ろす高台に、12〜13世紀にこの地方を治めたサヴォイア家の城「ニヨン城」が建つ。
7年間の修復工事を終えて2006年からは、18〜19世紀にこの地の名産として名を馳せた繊細な小花柄が特徴の陶器ニヨン焼きを中心に、陶磁器博物館となっている。
城の広いテラスからは古い街並みやレマン湖が見渡せる。晴れた日には、湖の彼方にモンブラン山群の白い山脈を望むことができる。
|
 ニヨン城
|
 レマン湖に面したシャトー
|
 ニヨン城の中庭からテラス越しにレマン湖
|
ニヨンの中心部から北へ約2km、レマン湖畔の少し高台にはプランジャン城(Château de Prangins)がある。1730年代のフランス様式の貴族の館で、1806〜1808年の2年間ナポレオン(Napoléon)の兄であるジョセフ・ボナパルト(Joseph・Bonaparte)が住んでいた。また思想家でもあり啓蒙主義者でもあるボルテール(Voltaire)も居住したといわれている。その後、子弟教育の場となり、1975年に連邦政府に寄付された。
現在は大改修され、18世紀前後の農具や生活用具などが展示された博物館となっている。城の庭にはお洒落なカフェもあり、レマン湖やぶどう畑農園が見渡せる。
|
 湖畔にはワイナリーもある
|
 湖で遊ぶ少女
|
●シャモニー・モンブラン(Chamonix・Mont-Blanc)
ヨーロッパ・アルプスの最高峰モンブラン(Mont-Blanc、標高4,810m)はフランスとイタリアの国境に聳え、その北側の麓シャモニーはフランス領だ。
モンブランが1786年夏、シャモニーの猟師ジャック・バルマと医師であるミシェル・パカールによって初登頂され、それまで寒村であったシャモニーの名がヨーロッパで一躍有名になった。以来、大勢の観光客や登山家たちがこの村を訪れるようになった。当時はジュネーブからから馬やロバの背にゆられ10時間以上も要した道のりも、現在は高速道路で結ばれ1時間余りで行くことができる。
|
 ジュネーブからシャモニーへの高速道路
|
 モンブラン山群が見えてくる
|
 パーキングエリアからモンブラン。 山頂へのトレースが見える
|
 谷が狭まりシャモニー近し
|
 シャモニーの市役所
|
現在のシャモニーの町は、近代登山創始者といわれるベネディックト・ド・ソシュールと初登頂者バルマの像が建つ広場を中心に、アルヴ川(Arve)を挟んでホテル、レストラン、カフェが軒を連ね、お洒落で洗練されたブティックや登山用品店、土産物店も並ぶ。
登山基地でもある町には山岳ガイド協会、スキーガイド・オフィスやフランス山岳協会、山岳博物館などもある。
町のどこからでもモンブラン(白い山)の全容が望め、地球温暖化の影響で急激に後退し続けたとはいえ、ボゾン氷河を見上げることができる。
|
 カフェで憩いボゾン氷河を眺める
|
 近代登山の生みの親 ソシュール(右)と猟師バルマの像
|
 シャモニー山の家、ガイド組合事務所
|
 シャモニーを流れる川とレストラン
|
 1820年夏の遭難図が展示されていた
|
 昔の登山のシルエット(ガイド組合内)
|
 親に連れられ子供たちが ロッククライミングの練習をしていた
|
 高速道路ゲート
|
さらに観光の目玉とも言うべき、エギーユ・デュ・ミディ(Aiguille・du・Midi)へのロープウェイへの乗り場には、晴天に恵まれれば観光客の長い列ができる。モンブラン山群の雄大な風景が広がるアルプス有数の展望台へは、シャモニーから標高差約2,800mを20分で上る。頂上には、展望台が3ヶ所あり、さらにエレベーターで最上階へ。360度の大パノラマが満喫できる。
|
 ロープウェイ乗り場付近からモンブラン山群
|
 レ・プラからロープウェイ、リフトを 乗り継ぎランデックスへ
|
 高山植物
|
●ラック・ブラン(Lac Blanc)へ
 岩壁を登攀する人たち
|
 ラック・ブランへと岩場を歩く
|
 ガスの切れ目にモンブランが…。左下はロープウェイ終点
|
 雲の切れ目から岩峰がのぞく
|
数あるハイキングコースのなかでも人気の高いコース。モンブランやエギーユ・デュ・ミディとはシャモニーの谷を挟んだ反対側に連なるエギーユ・ルージュ(Aiguille・Rouges)、フランス語で赤い針峰といわれる、鋭く尖った岩山の山裾を辿るコースだ。
ラック・ブラン(白い湖)とは雪解け水をたたえた小さな湖に、対岸に聳える白いモンブラン山群を映すことから、その名がついた。
|
 コース途中の標識は完備している
|
 ラック・ブラン。ガスが消えずに残念
|
 ラック・ブランから流れ出る小川
|
 ラック・ブランの小屋
|
 岩と石のルートが続く
|
 モンブランを見ながらのトレッキング
|
シャモニーからロープウェイとリフトを乗り継いで、標高2,385mのランデックス(L'lndex)まで上り、ここからスタートだ。所要時間は往復2時間30分程度とあるが、7月でもまだ雪が残り、また雪が降ることもあるので、天候と時間にはゆとりを持って行きたい。
普通コースは同じ道を戻るのではなく、高低差約500mをロープウェイとリフトの中継地点である標高1,877mのラ・フレジェール(La・Flégére)へ下る。
この日は雲の多いあいにくの天気で、モンブラン山群の白い山々も見え隠れしていたが、好天に恵まれれば、対岸のモンブラン山群の山脈や氷河が眺められる。
|
- ・スイス観光局
- スイスの自然や風景をはじめ、エリア別のみどころ案内や絶景ルート、モデルコースなども見られる。
取材:2011年8月
※ドライブコースの情報はそれぞれの記事の取材時点のものです。
|